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塾長コラム 2018年4月

子どもが賢い子に育つために必要な事とは

幼児期に考え力や思考力を学ぶ事が重要です。

考え力や思考力は、ぜひ幼児期につけておくべきです。これをしっかりしておけば、子どもは自分に自信を持つ事ができ、
色々な事に好奇心を持つ事が出来るようになります。
では、それを伸ばしていくためには、どのような事を優先的に学んでいくべきなのでしょうか。
一概には言えませんが、私は子どもが興味を持っている事を学ばせるのが一番いいと思います。
親が「あれをしろ」、「これをしろ」というのではなく、興味を持てる事を学ばせるのが一番です。
親として、「これを学ばせたい」と思うものもあるでしょうから、一度経験させてみるのも良いと思います。
しかし、子どもが嫌がった場合はやめた方が良いでしょう。子どもが嫌がる事を無理にさせても、いい結果にはつながりません。
まずは子どもが興味を持つ事をさせてみましょう。
 そのうえで、子どもがよほど嫌がらない限りは、私が平成の寺子屋でしているような「読み・書き・そろばん」を学ばせる事をお勧めします。
 私は、「基本となる脳力」は絶対に必要だと思います。平成の寺子屋でも、幼児期にベースとなる基礎的な事を、しっかりと身に着けさせるための教育を提供しています。「読み・書き・そろばん」は、全ての基本になります。子どもが明らかに拒絶する場合を除き、時間の許す限りやった方が良いでしょう。
これによって、基礎脳力は確実につける事が出来ます。
 私が「能力」というところをあえて「脳力」と言っている事が気になった方もいるでしょう。
 この「脳力」とは、スポーツの世界でいう「心・技・体」の体に当たります。スポーツにおいては、「心・技・体」の三つのうちで「体」が一番大切です。
身体能力が高くなければ、どうにもならないからです。スポーツ選手が引退するタイミングを考えてみても、
多くの場合は心や技がなくなった時ではなく、体が衰えた時です。この事からも、体の大切さが分かります。
これを勉強に照らし合わせるなら、「心・技・脳」といったところです。
脳の部分さえしっかりしていれば、心や技は後からいくらでも学べるものですが、脳に関しては幼児期でなければ学べない事がたくさんあるからです。
幼児期にしかつかない脳力、あるいはつけたほうが良い脳力はたくさんあります。そういう意味で、脳力と表現しています。
脳力を育てていくというのが、私の教育です。

お母さんに行なって欲しい事は「会話する事」

 子どもが学習する場所は、塾や学校だけではありません。
一番長い時間を過ごす自宅は、経験画像の処理能力を磨くための場所でもあるのです。
もっとも、子どもに「勉強しなさい」と言ってもあまり効果はないでしょう。
子どもは、苦痛に感じるものをやりたがりません。
やりたくない事を強要すると、脳力は逆に下がってしまうという事は、すでに説明した通りです。
 自宅では、お母さんが先生の役割を演じて下さい。
もちろん、塾で行うような学習を指導するという意味ではありません。
お母さんに行なって欲しい事は、子どもと「会話する事」です。
別に難しい事ではありません。子どもに、「塾でどんな勉強をしてきたの」、「学校でどんな事を学んできたの」と聞いて下さい。
子どもが話している間は、お母さんはあくまでも聞き手に徹しましょう。

もし、会話の内容で少しでもわからない事があれば、「もう少しそこのところを教えて」と聞いてみましょう。
 ここで重要な事は、子どもの話す事について、決して否定はしない事です。
お母さんの質問に対して、子どもが答えていく。この会話を何度も反復していく事で、子どもの経験画像処理能力、アウトプット能力が飛躍的に伸びていきます。
 最初は一日五分でもかまいません。継続して子どもと会話する習慣をつける事が重要です。
しばらく続けていくと、子どもとの会話がどんどん円滑になっていく事を実感出来るでしょう。
この習慣が子どものコミュニケーション能力を高め、
相手に分かりやすく伝えるためにはどう説明すればよいのかという論理的な発想や国語力の向上に繋がっていきます。
もうお分かりですね。会話は「その日に学んだ事を経験画像で処理して、相手にアウトプットする」最も効率的な学習方法なのです。

10歳までに右脳の脳力を伸ばす事が重要

 子どもに適した学習の基本的な考え方は、経験画像の処理能力を鍛える事にあります。
経験画像の処理能力という表現は、「右脳」の脳力に置き換えてもいいでしょう。
子どもに必要な学力向上は右脳の脳力を鍛える事であり、そのために経験画像の処理能力を高める事にあります。
しかしながら、この右脳の脳力については、脳科学的にみても一〇歳前後までにしか伸ばす事が出来ないと証明されています。
経験画像の処理能力を高める学習法は、子どもの脳力を向上させるために大きな効果を発揮しますが、
10歳を超えてくると、徐々にその効果は低下していきます。
 経験画像の処理能力を高めるうえで、効果的なのが「手を動かす事」、「イメージ力を鍛える事」、「会話する事」の三つです。
私は、この三つの事を子どもに教えるのに一番いい学習法は何かという事を、ずっと考えてきました。
そして、長年の学習塾運営の経験で、「読み・書き・そろばん」こそが、子どもの右脳の脳力を伸ばすのに最適な学習法であるという持論に達しました。
そこで私は、その「読み・書き・そろばん」を一貫して教えられる「平成の寺子屋」を開設しようと思い立ったのです。
 すでに触れましたように、「読み・書き・そろばん」はすべての学習のベースになる基礎脳力です。
そろばんは、パソコンや計算機の発展により、大人になると実際に使う事は少なくなるかもしれません。
 しかし、そろばんは「手を動かす」作業が多く、盤を動かして数字を認識するため「イメージ力を鍛える事」にも通じます。
そろばんは、子どもの右脳の脳力を鍛えるのに効果的な勉強法なのです。

 これらの「読み・書き・そろばん」を寺子屋方式で一緒に学ぶ事により、先生とだけではなく、子ども同士でも自然に「会話する事」が習慣付きます。
今後必要になる基礎学力を付けつつ、右脳の脳力を一〇歳まで最大限に伸ばしていく、
それに最も適した環境こそ「平成の寺子屋」であると自負しています。
 私が幼児期からの教育に力を入れるのは、上記の通り、その時期にしかつかない脳力があるというのが一番大きいですが、それ以外にも理由があります。
それは、学年が上がるにつれてやる事が増えてくるという事です。
基礎脳力以外にも学ばなければならない事が増えてくるため、脳力的な余裕がなくなりますし、
スポーツや習い事を始める人もいるでしょうから、時間的な余裕もなくなります。
このように色々な制限が出てくるため、本当の意味での脳力開発が難しくなってきます。
そのため、幼児期や小学校低学年のうちに基礎脳力を付けた方が良いのです。

親の役割は子どもの「応援団」になる事です

親の役割は子どもの「応援団」になる事です  

子どもが自信をもってすくすく育つためには、親は子どもに何が必要で、どのような環境を整えてあげられるかを考えるべきです。
ここで大切なのは、親は応援団になる事です。あれをやれ、これをやれというのは要らぬ事で、そのような事ばかりを子どもに言っていると、
大抵はいい結果を生みません。塾は、専門的な知識をもって個性や成績を伸ばしていく存在です。そのために塾があるのです。
 親は応援団、塾は専門家という意味で、役割は明らかに違います。専門的な知識がないにもかかわらず、親があれこれやろうとすると、
多くの場合子どもは萎縮してしまい、親子関係も悪化してしまいます。勉強などの専門的な事に関しては、信頼出来る専門家を見つけ、その人に任せ切る事が大切です。  また、今後このブログで基礎脳力に加えてメンタル面や思考力について、幼児期にはどんな事を教えた方が良いのか、
そのためには子どもとどのように接していけばよいのかを保護者の方々に知ってもらいたいと思います。
基本的に、子どもは親を見て育つものです。同時に、子どもは親を映す鏡です。言うなれば、子どもに対して腹が立つというのは、自分に腹が立っているのと同じ事です。自分の悪い点が子どもに出ているのです。親が思考や行動を見直す事が大切であるため、このブログを通して親のメンタルを啓蒙していきたいと思います。
それが、結果的には子どものメンタルにも良い影響を与えると思うからです。
子どもは、幼児期に教えられた事が、中高生や大人になってからも残っているものです。

親としての接し方などをいいように導いていければ幸いです。

子どもと大人とでは脳の構造が異なる

 子どもの基礎脳力を高めるためには、どのような勉強法が好ましいのでしょうか。  
具体的な勉強法を説明する前に、ぜひ理解していただきたい重要な事があります。
それは、子どもの脳は私たち大人の脳と構造が根本的に異なるという事です。  
その脳の構造の違いは、物事を理解したり、新しい情報をインプットしたりする際に明確に表れます。
一言で説明すると、大人が文字で理解しようとするのに対して、子どもは「経験画像」で理解しようとします。
経験画像とは、実際に目で見たり、耳で聞いたり、体験したり、学んだりした事を指します。
 子どもが、好きな昆虫の名前や、アニメに登場するモンスターの名前を瞬時に言って、驚いた事はありませんか?
 子どもは、昆虫図鑑や漫画雑誌などの画像から、自分に興味のあるものの特徴やイメージで認識して、
それを脳にインプットするという脳力に長けているからです。
右脳の力をフルに使った記憶術とも言えるのですが、幼児期は、興味を持ったものに対してインプットしたりアウトプットしたりする脳力が、実は大人以上なのです。
 大人は、自分もかつてはそうやって新しい知識をどんどん吸収していった事を忘れているので、
子どもに対して、文字で理解するという勉強を強制してしまいがちになるのです。
子どもにとってみれば、普段行っているインプット方法を禁止されたような気分になり、
勉強する事を「ガマン」、「嫌だ」、「面倒だ」などと感じるようになり、子どもの脳力は一気に低下してしまう事になるのです。
 大人になると、仕事や子育てなどで必要と判断した事に対して、乗り気のしない勉強でもガマンして、それなりの脳力を発揮出来るようになります。
しかし、子どもには、自分で興味を持って積極的に学ぶのと、強制されて嫌々学ぶのとでは、脳力の発達において天と地ほどの差が出てしまいます。
 子どもの脳力や学力を伸ばすうえで一番重要な事は、先ほど説明した経験画像を組み入れた学習を行う事です。
言いかえれば、子どもが興味を持ったものに対して、自主的に目で見たり、耳で聞いたり、体験したりして学べる環境を用意する事です。
この学習方法は子どもが最も得意とする事であり、得意なものを伸ばしていく事は存在価値承認や自信、その後の人格形成に繋がっていくのです。
子どもの脳力を出来るだけ伸ばしたいと思うのであれば、子どもと大人の脳の構造が異なる点を、十分に理解しておく必要があります。

子どもが賢い子に育つための秘訣

「幼児期にきちんとした教育をしておけば、将来は心配いらない」という事を伝えたいと思います。
幼児期に規律・考え方・親との接し方・基礎学力などといったものをきちんとつけておけば、あとは子どもが自分で自分のしたい事を決めていくものです。
親が「どこそこの大学に行かせたい」などと焦る必要はないのです。  
子どもがまだ幼い頃から将来の進学の事ばかり考える親も少なくありませんが、そのような事ばかりを考えるのではなく、
基礎学力を伸ばす、子どもの個性を伸ばす、自信を付けさせるといった事を考える方が、子どもにとっては将来の幸せにつながると思います。
子どもにとってどのような状態が幸せかといえば、それはストレスがない事です。塾で子どもを見ていても、ストレスがない子どもは幸せそうに見えるものです。
あとは普通に健康で、学校や塾にもきちんと通学し、やるべき事をきちんとやっている、その状態が一番幸せな事だと思います。
 では、子どもにとってどのような事がストレスになるのでしょうか。

まず挙げられるのは、親からのプレッシャーです。
「成績を上げなさい」というようなものが典型的な例でしょう。これは好ましい事ではありません。
 なぜなら、子どもにとって尊敬の対象である親から「成績を上げろ」と言われるからです。
それが達成できなかった時、子どもは卑屈になってしまい、自分は出来ないと思って自分を下げたり、
自信を失ったり、何をやっても駄目だと思い、やる気も出ない状態になってしまいます。このプログ記事を通して、幼児期の基礎学力を付ける事、
そして子どもに対する接し方に気付いて頂ければ有り難いと思います。
 また、真の意味での子どもの幸せを考える機会にもなれば幸いです。

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